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【千波湖栄枯盛衰】消えた幻の遊園地「レイクランド遊園地」 /前編  

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最盛期年間30万人!消えた幻の遊園地。         偕楽園レジャーセンターレイクランド遊園地/前編






 ここは水戸市千波湖、水と自然が広がる都市公園。






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 整備された周回コースがあるくらいで特に何があるわけではないが、自然豊かな湖では生息している白鳥たちととたわむれたり、湖畔をランニングしたりとそれぞれが余暇を過ごし、ひとときの疲れを癒す市民のオアシスとなっている。

 遊園地と言えばひたち海浜公園、日立かみね動物園が有名だが、 ここに茨城県ナンバーワンの、年間30万人の人で賑わった遊園地があったという。

 ジェットコースターやメリーゴーランド、お化け屋敷、映画館など実に様々なアトラクションや娯楽施設があり、最盛期で年間30万人もの賑わいだったとは今からじゃとても想像もつかない。


 そんな大賑わいな遊園地、自動車がまだ普及していない時代にも最盛期は30万人とは相当なものだ。

 しかし、栄枯盛衰という言葉があるようにその賑わいは長くは続かず赤字などの理由で、1982年1月10日に閉園。開園からわずか14年で惜しくも輝かしい歴史に幕を閉じた。

 このレイクランドに関しては自分が生まれる1983年には既に更地になっていたので、見た事も無いし聞いた事も無い。一度は行ってみたかったが実に残念!なんとかしてやれなかったのかね( ̄ヘ ̄) 今ではそんな遊園地が千波湖にあったなんて誰も知らないだろう。
 
 そんな訳で、千波湖の黄金時代とも言える大賑わいだった「偕楽園レイクランド」を現代に掘り起こして調べてみた。











昭和43年10月20日  <偕楽園レイクランド遊園地 開園>




 千波湖畔に「偕楽園レジャーセンターレイクランド遊園地」が開園したのは昭和43年10月20日。
 
 当時茨城県で最大規模を誇る大レジャーセンターとして、伊勢甚グループ(または伊勢甚)によって開園された。





当時のチラシ↓
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 アトラクションの数は実に豊富でジェットコースターや観覧車など80種類以上のアトラクションに、動物園や映画館もあり、500人を収容できるレストハウスなどがある。

 高さ25mの観覧車に乗れば千波湖や偕楽園が一望できたという。それは是非乗ってみたかったがまことに残念である(T^T) くぅぅ~


 オープン当初の主なアトラクションは以下の通り↓↓
ジェットコースターモノレールマッドマウスクレージーカー回転幌馬車(メリーゴーランド)
ゴーカートクラシックカームーンロケットハイマートラバンド
宇宙ロケット観覧車ダグラスDC3号






この他に、映画館やローラースケート場、お化け屋敷が後にオープンした。

ウルトラマンレオの上映も行われたようである。



↓ ↓ ↓


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その賑わいの様子を当時の新聞記事が詳しく伝えている。

以下に引用

↓ ↓ ↓





【子供に大人気。千波湖畔に偕楽園レイクランド誕生】             (茨城新聞昭和43年10月25日記事)

 二十日にオープンした水戸市・千波湖畔の「偕楽園レイクランド」はまさに子供の天国である。「ジェット・コースター」「空中電車」「マットマウス」など八十種以上の遊戯施設がととのい、子供たちに人気上々。家族連れで一日たっぷりのレジャーを楽しめる
 「クラシックカー」「ジェット・コースター」など大型乗り物二十一種類、木馬などの小型乗り物を合わせると、なんと八十種類以上の遊戯施設をととのえている。
 日本三公園の一つ、偕楽園と千波湖を一望に眺められる千波湖南岸にある。一番目に付くのは「観覧車」と「大噴水」「空中電車」だ。二十分間に四色、形が十九回変わる大噴水の周囲にはサルビアなどの秋の草花が咲き乱れており、その上空を二十四人乗りの「空中電車」がゆっくり一周する。
 「観覧車」の高さは二十五メートル。それほど高くないが偕楽園、千波湖が一望にながめられる。
 ご自慢の乗り物は「マットマウス」。これは東京・後楽園多摩川遊園地にあるだけで、県下初のお目見え。ジェットコースターを小型にしたものと思えばよく、スピードとスリルを十分堪能できる。
 スリルを楽しめる王者はなんといっても「ジェットコースター」。

 幼児向きには「クレージーカー」「回転幌馬車(メリーゴーランド)」「クラシックカー」などさまざまな施設がそろっている。
 このほかコースが八十メートルの二周列車、七百メートルのゴーカート、長さ二百メートルのモノレール、さらに「宇宙ロケット」「メリースクーター」「トラバフト」「ハイマー」など。これまで県内の遊園地に数少なかったいろいろな乗り物がそろっている。
 大遊技場には木馬などの小型乗り物、射的などがある。園内のいたるところにチンパンジーやゾウ、オオム、サルが飼われ、子供たちの人気を独占している。
 園内の奥まったところに実物用の観覧用飛行機「ダグラスDC3号」がそなえつけられている。ごん月中には開放されるという。機体を上下に動かし機内では航空映画が上映され、飛行している感じを出すという。
 このほか五百人を収容できるレストハウスがあり、家族連れで一日たっぷり楽しめる。
 動物の種類はまだ少ないが来春の観梅までにはアシカ、フラミンゴ、アメリカおしどり、ペンギン、キューバベニヅル、ペリカン、クマなどの世界の動物がお目見えし、それぞれの曲芸を披露する。園内の乗り物は一回二十~六十円。

<入園料>
おとな八十円
学生六十円
小学生・幼児四十円

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【新名所『偕楽園レークランド』にぎわう】                       (茨城新聞昭和43年10月28日記事)

 今月最後の日曜日のきのう二十七日は久しぶりに快晴に恵まれ県内各地の観光地は行楽客でにぎわった。
 水戸市千波湖畔に二十七日オープンした「偕楽園レークランド」はすっかり新名所ぶりを発揮、早朝から家族連れが押しかけ大変な混みよう。同ランドの関係者の話では終日でのべ二万人が繰り込んだほどだという。子供たちの人気を集めているジェットコースターやゴーカート、それにモノレールの乗り場前は長蛇の列。
 また偕楽園公園にも親子連れや若い人たちが訪れ、秋の日差しを楽しみながら歌ったり踊ったりする姿があちこちで見受けられた。



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 「ダグラスDC3」はアメリカの航空会社、現在のボーイング社が開発した双発プロペラの旅客機である。アメリカ軍の輸送機としても使用されたようだ。

 その実機ををアトラクションにして、しかもガタガタ揺らしてなんという贅沢なアトラクションだ!けしからん!

ちなみに我が国内では全日空がDC3ダグラスの旅客運用をしていたそうです。








偕楽園レイクランド 全景


右が水戸駅南方面、左にD51機関車があるあたり。

写真の右にはダグラスDC3とジェットコースターが見える。

中央には観覧車、左には何かの建物らしきものが。レストハウスかだろうか?

何も無い現在から比べて、まるで夢のような光景だ・・・(TヘTo)

当時の子供たちがうらやましすぎる。



偕楽園レイクランド全景(撮影年不詳)
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あ!こっちにはボールを投げてる人がいる!なんだか楽しそう

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―――現在のレイクランド跡地―――

かつてレイクランドだった跡地は、現在は千波湖ふれあい広場として整備されている。

しかし、使用している人の影はほとんど見られないうえに、山側(南側)の遊歩道は採石がそのままに敷かれデコボコして非常に歩きづらい。見えない裏側遊歩道はどうでもいい感じのオーラ全開である。

実際のところ広場としてよりかは、たまにイベント会場として使われるのが現状だ。

↓ ↓ 
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映画のワンシーンで見る。偕楽園レイクランド



 偕楽園レイクランドでは映画の撮影も行われていたようです。

 映画のタイトルは「さらば愛しき大地

 やたら濡れ場や暴力シーンが多いバイオレンスな映画となっておりますが、レイクランド遊園地を唯一映像で収めた貴重な映像史料となるでしょう。(ちなみにネット情では昔の神栖市のいたる所でロケをしていて当時の神栖をしのぶ貴重な史料ともありました。)















撮影年は不詳だが映画が撮られたのが1982年で、レイクランドは1982年1月に閉園となり2月にはアトラクションなどの撤去を完了している事から、このシーンが撮影されたのは閉園の直後か、又は閉園前後に撮影されたのではないかと思われる。

「シーン2」ではアトラクションなどが運転していないようにも見えるが。








――シーン1――

レイクランド内からの撮影。

カメラの後ろ側に千波湖

寂れて人がいないのは閉園後に撮られたせいなのか??

定かではない。


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――シーン2――

偕楽園見晴らし台広場から撮影。

遠くには偕楽園レイクランドが。

右に見える建物はレイクランド本館とレストハウスと思われる。

馴染みのある伊勢甚の袋も懐かしい。

秋吉久美子も美人で可愛い(〃 ̄ω ̄〃)



イメージ 10
















まさに活気に満ち順風満帆。人々の笑顔が絶えない。


しかし、順調と思えた矢先。ある影が忍び寄ります。その影とは?


市の千波湖大規模都市公園計画により、市議会ではレイクランドを撤去させようという動きが強まります。よって事実上、立ち退きを迫られるというかたちに。


立ち退きか、存続か、移転か。それとも閉園か。


偕楽園レイクランド最大のピンチを迎えます。





どうするレイクランド!





レイクランドが最終的に出した答えは・・・・。








詳しくは次回に続く。⇒⇒

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